子どもや孫に負担になる家を残しておきたくないからこそ実家の売却を考えておこう
亡くなった両親が住んでいた実家を、そのまま維持している人もいるのではないでしょうか。先日、タレントの松本明子さんが実家の売却を決めたことがニュースになっていました。今までにかかった維持費用は1600万円にもなるのだとか。これだけの費用がかかるとなれば、実家をどうするのか悩む人もいると思います。どうして実家の維持にこれだけのお金がかかるのでしょうか。具体的な理由や、解決方法についてもお話していきたいと思います。
誰も住んでいない実家を維持するのに高額な費用がかかる理由
誰も住んでいなのにどうして、そんなに費用がかさむのか疑問に思う人もいるかもしれません。そもそも家は「誰も住んでいない」状態が一番劣化します。建物は新築から年々劣化していますが、実家となるとある程度経過していますよね。
しかも両親が亡くなったあと、建物の外の植木などは管理していても、部屋のなかまでメンテナンスともなれば難しくなります。近所の人に窓を開けて風通しをしてもらうなどもお願いしても、一度カビが生えてしまうとどんどん増えてしまいます。
特に日本は湿気が多い気候なのもあり、建物の管理は難しいものです。メンテナンスはもちろん、定期的に支払いが必要な税金、劣化に伴う修繕費などを考えても、大きな負担になってしまいます。
さらに、両親が残してくれた実家だからとそのままにしていると、自分の子供の代(孫)になったときに、何も思い入れのない実家を相続して管理しなくてはいけなくなります。こうした相続問題なども出てくることを考えると、住んでいない実家についての扱いはしっかりと考える必要があるのです。これだけのお金を負担できるならまだしも、生活に支障をきたすのであれば考えたほうがいいかもしれませんね。
実家を解体するのにどのぐらいの費用がかかるの?
実家を解体するのに、実際どのぐらいの費用がかかるのかも把握しておく必要があります。実家の解体は基本的に「一括払い」となります。解体するのに高額な費用がかかることもあり、ローンや補助金などを上手に活用したいものですよね。
古い家の場合は、助成制度などが自治体で定められているケースもあります。誰でも利用できるものではなく、人数限定などの制限があり事前に申請が必要なケースもあります。
ちなみに、解体したあとに実家を新築する場合は、この解体費用も住宅ローンとして組み込むこともできます。売却を目的としているのであれば空き家解体ローンなども使えます。空き家解体ローンは増え続ける空き家対策の対策となっているものになり、地方銀行などで取り扱っているものです。金融機関においても空き家の定義も違いますし、売却時の解体は適用外となることもあります。
住んでいない実家をどうするのかを考えたときに、費用面も一緒に検討してみるといいと思います。自治体に相談すると、最適な方法を紹介してくれるのもあり解体する時期を迷っている人にとっても安心できるのではないでしょうか。
実家を手放すときは相続人同士の話し合いも必須
劣化してしまい費用がかさんだ実家とはいえ、解体するのであればどうしたらいいのか迷っている人もいるかもしれません。両親が亡くなっており相続として受け継いだ実家や、あなた以外に相続人がいないケースだと、実家の取り壊しについても自分で決められると思います。
でもまだ両親が老人ホームなどに住んでいて、相続になっていないのであれば、他の相続人にも許可を取るなどの話し合いの場も必要になります。すべての相続人が納得してはじめて、実家の売却の話も出てきます。
家によっても実家に対しての考え方は違いますが、一人で決められないケースもあることを認識しておきましょう。なかには手放したくない人もいるかもしれません。その場合は費用面なども含め相談し、話し合うことも必要です。
また、家のなかにある家具や家電などの大型のものを処分するのはもちろん、日用品や両親が大切に残してきたものなどもあると思います。一度見直したうえで処分して片付けていきます。専門的な不用品回収業者に依頼することできますし、時間に余裕があるなら相続人同士で片付ける方法もあります。荷物が多ければ多いほど大変になりますし、片付けにかかる費用についても決めておくと、後々のトラブルを回避することにも繋がります。
まとめ
実家を手放すにしてもすぐには決められないことも多く大変な想いをするかもしれません。とはいえ、長く放置していた場合、どうしても劣化が進み自分たちではメンテナンスが難しいときもあります。管理するにしてもカビや害虫などが発生してしまい、片付けをしないと状態が悪くなってしまっているケースも。よかれとして残していた実家が近隣の家にとって負担になってしまうこともあるのです。実家を片付けるかどうか、タイミングは難しいものですが、費用面の負担なども含めて考えてみるといいかもしれません。