自宅介護をスムーズに行うための福祉整理
実家の両親が高齢になってくると、日常生活を送るのも難しくなってきます。例えば食事はもちろん、入浴に人の手が必要になることも少なくありません。遠く離れて住んでいる両親に介護が必要になったとき、日々の作業をスムーズに行うためにも「福祉整理」が必要です。介護は簡単なことではないからこそ、先々を考えた準備を進めておきましょう。
自宅介護も視野に入れた福祉整理を
両親が高齢になってくると、誰もが通る部分だと思います。怪我や病気、認知症など自分で日常生活を送るのが難しくなってくると、施設に入所する、もしくは自宅(在宅)介護について、考えなくてはいけません。施設は高額なお金がかかることもあり、大抵のケースでは自宅介護を選ぶ人が多いと言われています。ただ、要支援の介護度が高くなればなるほど自宅では限界を感じ、施設に入所する割合が増えるそうです。自宅で介護をしながら、デイサービスなど日中はヘルパーさんに依頼して、家族が介護と両立しているケースが多いようです。ただ、自宅介護は、近くで一緒に過ごせる反面、どうしても家族の負担が大きくなります。一時的ではなく、長く続くことだからこそ自宅介護の際は福祉整理についても、同時に考えるのをおすすめします。
自宅介護で福祉整理が必要なわけ
福祉整理とは高齢者の部屋のなか等、片付けをすることを言います。生前(生きているとき)に行うものであり、快適な住環境を整える意味があります。自宅介護を選択したときに福祉整理がどうして必要になるのか、その理由についてお話したいと思います。
・転倒などの怪我のリスクを減らせる
自宅介護の場合、もともと部屋のなかが介護仕様になっていないため、気を付けなくてはいけないこともたくさんあります。ご高齢になると、床にちょっと物が置いてあるだけで、転倒の危険性が出て来てしまいます。ベッドから降りてスリッパを履こうとして躓く、床が濡れていて滑ってしまうなど、さまざまなリスクがあります。部屋のなかに家具や家電が多いと、転倒したときに頭を打ってしまうことも考えられます。介護用のスロープも、十分なスペースが無いと設置できません。こうした問題を解消するためにも、自宅介護が決まったら福祉整理でできるだけ危険性の伴うものを片付けてしまう必要があるのです。安全性を高めるうえでも、福祉整理が重要になってきます。
・本人の希望を叶え、快適な住環境が作れる
自宅でほとんどの時間を過ごすようになると、できるだけ快適な空間にしてあげたいと思うものだと思います。高齢者のなかには、自分の懐かしき若い頃の写真や、大切にしていた着物を飾りたいなんて人もいます。物で溢れかえっている状態では、飾りたいと思ってもできません。必要なものをきちんと置くのはもちろん、できるだけすっきりとしていて快適な空間を作ることも大切になってきます。住環境を整えることは、精神面での健康にも繋がります。なかにはお友達などを呼びたい人もいると思いますし、部屋のなかは本人が納得するきれいな状態を維持しておきましょう。
自宅介護のしやすい部屋を目指そう
自宅介護になると、家族や親族などが協力しあい、介護(介助)を行うことも増えます。ヘルパーさんやデイサービスがあるといっても、大半の時間を家で過ごします。そのため、いかに自宅介護がしやすいかを考え、部屋を整えておくことも必要です。例えば自分で起き上がるのが難しくなれば、電動ベッドなども必要です。普通のベッドよりも大きいので十分なスペースが必要です。また、食事を食べるにしても、今まで通りにはいきません。お風呂も、手すりをつけ広々とした空間にしておきます。物が溢れかえって移動できるスペースのない狭い空間だと、家族が補助したいと思ってもできず危険性も伴います。介護は簡単なことではないからこそ、自宅介護を考えたときに導線に余計なものがないかなど、さまざまな視野で考える必要も出てきます。
福祉整理を外注して1日で済ませよう
福祉整理の必要性がわかっていても、不用品の搬出や処分など思っている以上に時間もかかります。なかには片付けたいと思っていても時間が取れずにそのままになっているケースもあると思います。福祉整理は業者に依頼できることもあり、1日あれば十分に片付きます。すぐに自宅介護が必要になり慌てて準備をしなくてはいけないケースなど、余計な手間もかけずに片付けが終わるので、心身の負担を減らすことにも繋がります。
まとめ
自宅介護は、実際にその立場になってみないと大変さがわからない部分もあると思います。元気なうちはなんてことない部屋でも、介護が必要になったときの視点で考えると、物が多くとてもじゃないけど、危険性がたくさん隠れているなんてケースも珍しくありません。忙しくなかなか片付けられないのであれば、業者に外注するなど一気に片付けてしまいましょう。