認知症の両親、部屋の中の不用品処分はお任せください
日本は超高齢社会に突入し、その割合は年々増加する一方だと言われています。高齢者の人が増えれば同時に問題になるのが「認知症」です。
うちの親は大丈夫と思っていても、ふとしたときに物忘れをしていることに気付いたり、実家に遊びに行ったときに片付けができていない実態に焦っている人もいるのではないのでしょうか。
認知症になると日常生活もいままで通り送れなくなり、家の中に不用品で溢れてしまうことも…。実家の両親の認知症で悩んでいるご家庭にこそ、不用品の処分は重要です。
認知症とゴミ屋敷の関係
日本は高齢者の割合が2025年には5人に1人になると言われています。高齢者が高齢者の介護をする老老介護などの問題も出てきており、決して他人事ではありません。核家族化によって実家を離れて生活する若者も多くなり、高齢者が一人で生活をしている姿は日本では当たり前の光景になりつつあります。
そんな高齢者の問題で避けては通れないのが、認知症です。自分のことや家族、住んでいる家のことを忘れてしまう認知症は、程度はあるにしても日常生活に必ず支障をきたします。
認知症が悪化してくると自分がご飯を食べたのかも忘れてしまったり、掃除をすることすら思いつかないケースもあります。
実際に認知症の人に「家の中は片付いていますか?」と質問をしたところ、半分以上の人は「いいえ」と答えています。その理由として物が多く溢れてしまっている状況もあれば、部屋中にゴミが散乱して不衛生な状態も少なくありません。
そのような状況の中で生活していると考えたらどうでしょうか。なかには異臭騒ぎが起きているのにそのままにしてしまっているケース、カビが生えたままになっている人もいます。
認知症になると明らかにゴミであっても分別することが難しく、ゴミとして認識できない=そのためゴミで散乱してしまう状態になるのです。
実家から離れて生活しているご家族にとっても、実家に行く度にあまりに悲惨な状況になんとか説得しようと考えている人もいるのではないでしょうか。認知症になったとはいえそのまま家に住み慣れた場所で生活したいと話す人も少なくありません。認知症とはいえ勝手に部屋を片付けてしまうのは、親の意思を踏みにじっているような気持ちになってしまいますし、できれば避けたい気持ちが本音ですよね。
認知症による散らかった部屋を放置するリスク
実家が散らかっているとはいえ、ゴミ屋敷といえるほどでもないしこのまま様子を見ても良いのでは?なんて思っている人もいるかもしれません。でも認知症に散らかった部屋の組み合わせはリスクも大きく、一刻も早くその問題を解決していかなくてはいません。
1. 転倒しケガをするリスク
部屋のなかに物が散乱した状態のままにしてしまうと、慌てたときなどそのゴミに足を躓いてしまい打撲や骨折などの危険性も出てきてしまいます。
高齢者の骨折は若い世代のように直りが早いわけではありませんし、そのまま痛みが我慢できないからといって歩くのをやめてしまうこともあります。どんなに小さなゴミであっても転倒する可能性を高めますので高齢者が住んでいる家は、できるだけフラットでケガのリスクを最大限に防げる環境を整えてあげることが大切です。
うちの両親は元気だから大丈夫と思っていてもゴミにつまずいてケガをすることは誰だって十分にあります。
2. 不衛生な環境での病気のリスク
認知症になると部屋の中も不衛生な状態になり、なかには虫がたくさん飛んでいることも少なくありません。認知症にもそれぞれに特徴がありますが、食べかけのものを忘れてしまいそのまま放置して置いてあったり、同じような商品を大量にストックしてあることも…。
部屋のなかが不衛生になると水回りの掃除まで行き届かなくなるので、溜まったゴミのうえでシャワーをしていたりカビだらけの空間で生活し肺炎や結核などの病気になってしまう人もいます。
若くて健康な人であってもカビや異臭がするような空間に長時間いれば体調が悪くなってしまうことも十分に考えられます。自分が住んでいる家が異常な状態である認識がないので片付けができないのです。
3. ご近所とのトラブル
認知症になっただけでもご近所間のトラブルが多発してしまうこともあります。夜中になると周囲を徘徊している、ゴミが捨てられず周囲に異臭を放っていることも…。また認知症になるとお風呂に入ることすら億劫になるので、不衛生なままご近所を歩いていることだってあります。ご近所にとっても認知症になり片付けができない状況に対して不安な気持ちを隠せません。
例えば山積みのゴミのなかから煙が出てしまいボヤ騒ぎになってしまったなんてケースもあります。火災なんて関係ないのでは?と思うかもしれませんが、コンセントを指す位置に何かゴミが散乱している電化製品のコードのショートでも焦げていて、火事の予備軍になっていることもあります。焦げ臭いことに気付けないので大きなトラブルになりやすいのです。
認知症の両親に部屋を片付けてもらうには?
お子さんの中にはすでに必死に片付けをお願いしているにも関わらず、状況が改善しないなんてケースもあるのではないでしょうか。どんなに説得しても「捨てさせてくれない」と話す人もいれば、ゴミをゴミとして認識していない、説得しようとすると怒ったり泣いて暴力を振るうなどの問題に直面している人もいるはずです。
認知症は特別珍しい病気ではありません。年を重ねれば誰でもなる可能性があり、同じような状況に陥ります。すぐに老人ホームに入ってもらい安全な生活をと思っていても、地域によっては老人ホームがいっぱいで予約が取れないケースもあります。
実家をゴミ屋敷にしないためにはこまめに連絡を取り、現在の状況を知ることです。本来なら近くに住んでこまめに遊びに行ったほうが安心です。というのも親は子どもに迷惑をかけまいと嘘をつくことが多いもの。
実は部屋のなかが散らかっていてもあえて心配をかけないように嘘をつきます。子どももそれを信じてしまうと自然と距離ができてしまいますね。実家の状況が悪くならない為にも「常に気にしているよ」というのを伝えておくことも大切です。
また「次の休みに遊びに行くからね」など約束をしてしまえば部屋の片付けをせざるえなくなります。認知症は誰からも話しかけてもらえなくなったり、一人になるとあっという間に進行します。いつまでも親には元気で居て欲しいと思うのが子ども心ですから無理なく片付けられるように促していかなくてはいけません。
不用品を処分する方法にはどんなものがある?
1. 自治体の回収
もえるごみ、もえないゴミ、資源ごみ、粗大ごみなどの一般的なごみ処理の方法になります。自宅にあるゴミを袋にまとめて指定の日時にゴミを所定の場所に出します。
ただし資源ごみや粗大ごみは自治体によっても回収方法が異なり、月に1回から2回程度の回収になります。そのため日時に予定を合わせなくてはいけないので、なかなかゴミとして出せずそのまま家にゴミが溜まってしまうことも…。
また本人がゴミを捨てたいと思えないと処分するのは難しく認知症で片付けが難しいのであればあまりおすすめはしません。せっかくゴミをまとめても、指定の日にゴミを出すのはご両親がしなくてはいけないので部屋の中が片付けられない可能性もあります。
2. リサイクルショップ
実家にある家具・家電などの大型のものはリサイクルショップに出して処分する方法もあります。比較的状態がよく新しいものになると、多少のお金になる場合もあります。
もし少しでも処分費用をかけずにと考えているのであれば、リサイクルショップはおすすめです。直接お店に持ち込む「店舗買取」や宅急便で不用品を送る「宅配買取」、直接自宅に引き取りに来てもらう「出張買取」などもあります。
買取の個数が多い場合は出張買取でもいいと思いますが、あくまでもある程度状態のいいものに限ります。傷や汚れの多いものになると買取を断られてしまうこともありますので注意。また直接お店に持ち込む場合は、営業時間なども含めた上で確認するようにしてください。
不用品回収業者に依頼して片付けをしてしまおう
実家の状態が気になっているのであれば、この際不用品回収業者に依頼して一気に片付けてしまいませんか。ご両親が比較的元気がうちに財産や資産的な話もしなくてはいけませんし、もし急に老人ホームに入ることになった場合、部屋を片付けておかないと本当に必要なものかどうかがわかりません。
認知症が進めば一度手放したら二度と手に入らないかもという意識も強くなってしまい、余計にゴミにしたがりません。不用品回収業者の場合ご希望の日時でお伺いができるので、ご家族でしっかりと話し合ったうえで処分するものとそうでないものをしっかりと分別できます。
まだ一緒に分別できるうちにご両親に確認しながらでも、徐々にゴミを処分していきましょう。最初から全部を捨てると決めてしまわずに、ご両親の気持ちに寄り添うこと。あなたが知らないだけで実はとても大切にしている思い出の品かもしれませんよね。
全否定されれば誰だって攻撃的になります。ただ部屋のなかの不用品を片付けると考えるのではなく、ご両親の部屋を清潔に保ち安全に生活してもらう為の片づけと考えるとわかりやすいです。
まとめ
認知症の両親だけが住んでいる実家が散らかってしまいどうにかしたい…そんな悩みを抱えている人は意外と多いのではないでしょうか。またこれから先を考えたときに、家のなかに物が溢れかえっている状態をそのままにしておくのはとても危険です。
片付け方はいろいろなものがありますが、分別などの処分に時間がかからず運び出しから処分の一通りすべてを行う不用品回収業者に頼ってしまうのもおすすめです。この機会に実家を思いきって片付けてみませんか。