親が孤独死しないために有効な対策方法

コロナの影響もあり「孤独死」というキーワードが珍しいものではなくなっています。両親は元気だし、特に病気をしていないので孤独死なんて無縁だと思い込んでいませんか。仕事をしていて、外に出る機会の多い両親だって孤独死の可能性は十分に考えられるのです。離れて住んでいれば、誰もが孤独死になる可能性もあります。孤独死をいかに防ぐかで、いろいろなメリットもあります。自分には関係ないと考えるのではなく、孤独死を防ぐ方法や、生前整理の重要性について、今一度考えておきましょう。

孤独死はどんな人に多い？意外な死因

孤独死は、1人で生活をしている独身の高齢者のイメージがあると思います。生涯独身や、配偶者に先立たれてしまった、離婚したなどさまざまな要因で1人での生活になります。なかには持病を持っていて、身動きをするのが難しい人もいます。周囲に友達関係がなく、人付き合いをほとんどしていないと、孤独死の可能性も十分に考えられます。仕事をしていて勤めているから大丈夫と思っていても、コロナの影響で辞めているかもしれません。

ちなみに孤独死ではどんな死因が多いと思いますか。その多くが肺炎などの循環器系や、心筋梗塞、くも膜下出血などいきなり具合が悪くなるケースです。昨日までは電話でも普通に話ができていたのに、突然死してしまうこともあります。また、腰を痛めてしまった、転倒して頭を打ったなど、事故のまま救急車を呼べずに亡くなることもあります。孤独死というと、テレビのなかの話のようにも聴こえるかもしれません。孤独死の割合も少ないので、自分の両親が…とは考えないものです。ちょっとしたきっかけで孤独死が起きてしまいます。

孤独死を防ぐことでさまざまなメリットがある

もし、自分の両親が孤独死になった場合、何が大変だと思いますか。病院で亡くなり看取られるのと違い、孤独死ならではの大変さはたくさんあります。

例えば、実家を将来的に売却したいと考えているとします。でも孤独死で事故物件扱いになると、不動産の価値はとたんに下がります。両親からの遺産が不動産のみなんてケースもありますよね。発見するまでに時間がかかってしまったケースだと、壁や床が汚れ特殊清掃が必要になってしまいます。購入してくれる相手を探そうとしても、難しくなり、資産的な価値のないものとしてみなされてしまいます。両親が借家に住んでいるケースになれば、片付けや管理会社の対応など、金銭的な負担も大きくなります。

また孤独死の多くが突然なのもあり、準備ができておらず、遺族に負担が大きくなってしまうことも少なくありません。そもそも1人で住んでいる両親にとっても常に孤独死のリスクを考えながら、不安を感じて生活するのは良いことではありません。そういったリスクを気にせずに、残りの人生を安心して過ごしてもらいたいものです。親であれば誰もが子供には迷惑をかけたくないと考えているからこそ、いかに孤独死を防げばいいのか、親とも話す機会を設けるようにしておきましょう。

孤独死を防ぐために必要な生前整理

生前の元気なうちに自分の財産や持ち物などを整理することを、生前整理と言います。孤独死を防ぎたいと思っていても、一緒に住むのが難しいケースもあると思います。少しでもリスクを減らすために、生前整理を進めておきましょう。

・気にかけてもらえている安心感

普段、両親と会話をする機会が少ない人にとっても、生前整理などの明確な目的があれば気軽に電話もでき、実家に顔を出すこともできます。ある程度年齢を重ねても常に気にしてもらえていると感じるのは、やっぱり嬉しいものです。両親側にとっても「まだまだ元気でいないとな」と思えるようになります。どうして生前整理が必要なのかがわかれば、両親だって嫌な顔をすることもありません。残りの人生のなかでいろいろな話をするきっかけになれば、お互いにとっても嬉しいのではないでしょうか。

・部屋をきれいにして人の出入りを増やす

部屋をきれいに保てていると、お友達など自宅に呼びたくなりますよね。家に定期的に訪問してくれる人がいると、部屋を掃除するようになります。友達との関係も長く続きますし、お互いの家を行き来するようなこともあるかもしれません。家が汚いとコミュニケーションも希薄になってしまいがちです。人の出入りを増やすことが活力にもなります。